ウィトゲンシュタインが考えた「ゲーム」のように、関係性はすでに用意され、固定されたルールの上で動くのではなく、常に変更可能性の上で動いていくものだと思う。というより、そういう関係性にリアルさを感じるし、そうでないものには感じない。
だから、閉じられた世界の中で、ひとりの作者がつりあげる完結した物語のようなものには全然リアルさを感じることができない。そこには確かに整合性や統一化など、完成度の高さを示すものがあるのかもしれないが、そうした完成度には私は弱さのようなものしか感じられない。
ルールはいつも書き換えられる双方向的なものになっていなければリアルではない。誰かがルールを握っていたり、ただながめるだけのものでは、退屈なだけだ。