大場順一展

昨日までだったNACOM展の搬出を終えたあと、今日からはじまった大場順一展を見に行く(ギャラリー青城、7/20〜25、10:00〜18:00、℡022-222-0654)。
ビニルハウスか何かの骨組みの一部が、動物の肋骨のようにアーチを描く中に、いっぱいの牧草が投げ出されるように積まれている。しかし、これほどまでに牧草をリアルに表現した作品を私は知らない。本物の牧草なんだから、リアルに決まっている、とかそういった次元で言っているのではない。廃材の骨組みが描く遠近といい、天井の低い10畳ほどのこのギャラリーが、あたかも牧草地ほどのスケールをもってせまってくる。事物としてのすべてが、私にはとてもなじみのものだ。私は以前、絵に描こうとほとんど毎日のようにこうしたものがあり、使われている農場へと出かけていって、たとえばこういう絵を描いていた。そうして何度も目にし、ふれ、描いたそれらをよく知っているからこそ思うのだが、この作品には軽くそのすべてが含まれ、本当にもうそうしか言いようがないのだが、こうしたものが在る場所をこれ以上ないほどにリアルに描いている。私の描いたものなどその足元にも及ばない。こんな方法があったのだと思う。