山展・海展

中本誠司現代美術館に行く。さ来週から、生まれ故郷屋久島で故中本誠司氏の個展が開かれる。氏の作品のほとんどは仙台の貸倉庫の中にあるため、今日はそれを送るいわば壮行会のような集まりだった(個展は屋久島環境文化村センター(℡0997-42-2900)にて、5/14〜6/11、10:00〜18:00、入場料無料)。
個展が終わって作品が屋久島から返却されてきた後、中本誠司現代美術館の企画として、氏が生前使っていた宮城蔵王にある1200坪ほどの土地「不忘山アートフィールド」で、何人かアーティストを募ってアート展をやる計画だそうで、これが「山展」。そして来年、今度は氏がよく制作に出かけて行ったという七ヶ浜の海で「海展」を開くという構想とのこと。広大なフィールドに展示するというのもおもしろいけれど、山展・海展としてセットで構想されていることがとても気に入る。一回きりの企画は、すがすがしさみたいなものはあるかもしれないけれど、複数回・年の企画にくらべてそのストーリー性などにおいて厚みや深みに欠ける。時間や場所を異にするいくつかの展示をひとまとまりの作品として提示するようなものに、今とても興味がある。それがすこしずつそろっていく感じとか、意に反して、という面をとりこんでなお、というもろもろ、そうした数年にわたるプロジェクトという存在感、逆にやっていくうちにいろいろなものが磨耗していく過程など。