紙テープ

紙テープ(船から投げるのはもう紙製ではなく、名前も観光テープと言うらしい)=出航、旅立ち⇔お見送り、旅立たれるもの、遺物(しかしそれでもどこまで旅立とうと海でつながっているように、「歴史」としてそれはつながっている。そしてそれがそれと人との関わり方である。
ところでこの紙テープは、日本人による発明で、当初いわゆるリボンとして使うつもりでつくったものの、実際そのリボンがすでに存在してしまっていることを知り、いわば捨てるつもりで船から投げるという荒業に出たのだという。むろんそこで紙テープは新たな使用を得たのだけれど、そうした出自からか、それはやはり通常言うところの「使用」とはやはり大きく趣を異にしていると思う。それはむしろアートが生まれるときに近いのではないか。だから生まれた後も、どこか他の使用を背負った道具とは異質な感じがするのではないだろうか。