松島へ行く

瑞巌寺本堂

例によって遅い時間からの出発だったので、近場ということで松島へ出かける。
日本三景が近くにあるというのは、すごいことだと思う。しかしそうした実感はなく、ああ松島ね、という感じだったのだが、4、5年前の半年間ほど、多いときは週に3回くらいスケッチに出かけるようになって、何というかそういう覆いや膜のようなものが消え、どこに行くか思いつかないときにはとりあえず出かける場所、そのように書くと全然そう聞こえないかもしれないけれど、素直にとても好きな場所になった。今ではほとんど絵を描かないので、ただ歩いてつぶ焼き(つぶ貝を焼いて串に刺したもの。1本百円で安くておいしい。ただ冷めているといまいちなのでよく焼いてもらうこと)を食べたり、自分で焼いて食べる笹かまを食べたり、あさりを買ったり、おみくじをひいたり、時間のあるときには奥松島まで足をのばしたりして、いわば観光をして帰ってくる。
無料駐車場まで完備されているので、ほとんどお金を使うこともなく楽しめる場所なのだが、今日は毎回閉門まぎわになってしまい、今まで入ることのできないでいた瑞巌寺に入場料700円を払って入った。実にけっこうなお寺だった。本堂内には複製によって再現されたぴかぴかの障壁画が並び、廊下に沿って歩くと、暗い本堂内部から見る新緑の境内は染みるような美しさである。宝物庫では障壁画のホンモノが展示されていたが、ものすごくぼろぼろで、もうほとんど何が描いてあるのかわからない状態に見えた。何というか、いさぎよいことだ。