カフェ・モーツァルトとミフターフ

途中、アンティークな家具とクラシック音楽が心地よい「カフェ・モーツァルト」でひと休みしながら、先日「パレスチナの平和を考える会」から送ってもらった講演録「パレスチナ農民が語る「隔離壁」が奪ったもの」についてきたこの会で出しているらしい機関紙「ミフターフ」を読んでみる。ハイファ大学に留学中という田浪亜央江さんの「イスラエル・アラブを通して見るイスラエル」というレポートがとてもおもしろかった。何というのだろう、予想される複雑さよりも現実はもっとリアルに複雑である、という感じ。しかしそのリアルな複雑さというのは、「ホンモノ」とか、実際にそこに行ったとか、何かそういうことで保証されるものではなくて、結局はそれを切り出してくる者の技量である以上、それに直面していてもそこに単純で力強いリアリズムしか感じない、感じられないことはおうおうにしてあるわけで、そういう意味でもすぐれたレポートだと思う。ぜひ「つづき」が読みたいものだ。