街へ

サンモール一番町で

ロジアート」のための取材に、展示予定場所である仙台は一番町サンモール商店街界隈へ。夕方から塾なのでどうせまた来るのだが、なるべく人気のないお昼すぎをねらって。試作した展示物をためしにいろいろなところにはりつけたりして具合をみる。
最後に、一昨日焙煎所を訪ねたデ・スティル・コーヒーの店舗に立ち寄り、店の中やドアに展示した具合を確かめたり、入って来たお客さんの反応をみたりする(ちなみにここのスタッフはすばらしい絵を描く。こちら)。
家に帰り、思ったことをまとめて実行委員会へと送る(こちら)。最近、絵を描くよりもこういうことをしている時間の方が格段に多い。あまりスケッチにあししげく出かけなくなった私に対し、スケッチはいいのかと訪ねる妻に、先日、私がやっていることは実は現代アートなのだと言うと、ひどく驚いていた。
しかしそれは正確ではないかもしれない。たとえば今こうしてロジアートに出そうとしているものは、かたちとしてはかつてコンセプチュアル・アートと呼ばれたものに似ているけれども、アートそのものを問うものでもなければ、われわれの認識そのものをぐらつかせようというものでもない。まるでその逆だ。私はそれがいわゆる視覚的なアートというよりは、詩の領域に近いものだと思う。いや、詩そのもの、純然たる詩、単なる詩、もっと言えば詩になれなかった文章に過ぎないような気がしてくる。
ジャンル分けをしたいのではない。そうではなくて、たとえば、ものに語らせようという視覚的なアートに取り組む人の中に、まったく畑ちがいの詩人が紛れ込んで、ほかの人にそれと知られずに詩をよんでみたら、文章そのものをほめられた、みたいな状況を想定しよう。しかし詩人の中では彼のやっていることは特にたいしたことではないのだ。