新川

広瀬川上流、新川へ。「デ・スティル・コーヒー」の焙煎所を訪ねる。いつも石を拾いに行く場所よりも少し上流の、かなり閑静なところにあって、とても素晴らしい河原のそばにあった。近づくにつれ、コーヒーを焙煎する香りが強まっていく。
焙煎をしている社長さんに出会い、「ロジアート」の説明をはじめたのだが、私の企画もたいして固まっているわけではないので、実におぼつかない説明で、それより何より、気がついてみると自分が何者かも明かさずに話をしている。平日の昼間、すごく汚いかっこうの見も知らぬ人の話を聞く、それも仕事中、というのはとてもたいへんなことにちがいない。以前、ここのコーヒーをたのんでいる喫茶店で個展をしたことがあるので(そのおりのようす)、運良く私の名前を知っていてくださり、少し場がなごむ(あの共通のものを「知っている」というときのほっとする感じ)。
とりあえずどんな場所で焙煎しているのか、ずっと行ってみたかったのでとてもよかった。また石を拾う場所がふえた。
七夕の企画は、やはり店の中に展示するのはあまりおもしろいとは思えない。その店に関係するもの、たとえばコーヒー店ならコーヒー豆を、靴屋なら靴紐を、洋服店ならボタンを、という風に何かひとつ出してもらい、それに私が言葉をつけて店の外、通りの流れの中にそっと展示する、というのがいいように思う。どうだろう。