アーティスト・イン・湯治(AIT)

陸羽東線

21日、昨年「GOTEN GOTEN2005アート湯治祭」の行われた宮城県北部の温泉地・東鳴子へ行って来ました。昨年からのアサヒ・アート・フェスティバル(AAF)参加企画で、私の家からは車で1時間半くらいですが、今日は仙台駅から電車で行ってみようと思いました。9時仙台発の東北本線。小牛田で陸羽東線へ乗り換え、鳴子御殿駅へ。古川を過ぎたあたりから辺りは急に雪景色に。伊達家の御殿湯があったことからその名がついた御殿湯駅は、04年9月に新築されたなんとも素敵な駅で、その年「ごてんゆ行進曲」なるものも生まれたといいます。駅を降りてつづくメインストリート沿いに町を見て歩くと、お華の先生の看板が出ているおそらくは店舗のようなたたずまい(しかし何も売っていない)の店先に、圧倒されるほどの力作が展示されています。聞くととりあえず昔からやっていることだそうです。
旅館大沼の五代目大沼伸治さんはその当時日本で唯一学科をもっていたという立教大で観光を学び、伊香保の大規模な旅館で修行。その後あとを継ごうと東鳴子へ戻ったとき、老朽化し、経営不振に陥っていた我が宿やさびれた故郷の地にあぜんとしたといいます。それからドラマにすれば13クルーくらいになる大沼さんの奮闘がつづくわけですが(そのあたりについてはこちら)、とりあえず今では名湯、入りたいお風呂みたいな雑誌の特集でははずせない宿になったという(ちなみに今出ている雑誌だと、「おとなのいい旅(東日本版、12・1月号)」(リクルート)、「るるぶじゃぱん」(JTBパブリッシング、1月号)の巻頭掲載、さ来月のJR東日本「トランベール」にも6ページくらいの特集が組まれるとか)。
「現代湯治」「田植え湯治」「湯治の学校」「鳴子スタイル」「トライク(三輪自転車)めぐり」「縁台なる計画」「GOTEN GOTEN アート湯治祭」(以上、詳しくはこちら)と、さまざまなアイデアと実行力をもって、着実に町づくり、地域づくりをすすめている大沼さん。しかしその原点は「何はなくともとりあえずいいお湯がふんだんにある」という達観でした。だからすべては「湯治」から出発しています。アーティストが東鳴子を訪れ、湯治をしながら何かを感じたり、プランを練ったり、制作したりする。町で見つけた気に入った場所で作品展示を行う。1週間。「通い湯治」もあり(5日目くらいから「毒」がぬけはじめるそうです)。
「アーティスト・イン・湯治(AIT)」。そうした企画を、大沼さんと進めていくことになりました。来年7月の「GOTEN GOTENアート湯治祭」内での開催をめざしています。興味のある方はご連絡ください。いろいろなご意見うかがいながら、連携できる企画と連携しながら、いい企画をつくっていきたいと思います。