価値の創造

価値は、つくられたものではあるにせよ、つくったものではないのではないか。それは私のオリジナリティに対するのと同じ考え方、つまり、「本当に」オリジナルなものなど他人には理解もできないだろうし、ということは端的に言ってありえない、というのと同じような理由やあり方から、そのようにあるとしか言えないようなたぐいのものではないのか。その意味で、たとえばその価値への変換装置みたいな制度や場所や何かに、まるっきり場違いなものを置いてみるということはひとつのチャレンジであり、思考実験みたいなものであるかもしれないけれど、結局のところ、それは何が価値であるかを明らかにするのみで、価値への変換装置そのものの変換や発明みたいなこととは別のことではないのか。