搬入、というか制作

地中の虹

ニュー・アート・コンペティション of Miyagiへの搬入を行って来た。搬入といっても私の場合、その場で全部つくるインスタレーションなので、搬入=制作と言っていいと思う。
ここのところ、朝の3〜4時まで眠れず、昼ごろ起床という日々がつづいていたので、起きられないとたいへんと、私がやっているが会場であるせんだいメディアテーク近くにあるので、わざわざ前の日は銭湯に入って塾に泊まってそなえたのだが、やはり完全に4時くらいまで眠れなかった上に、近くで水道管工事か何かを夜通しやっていて、熟睡したというよりはうつらうつらと時間は過ぎて、9時の搬入の時間になった。
なかなか1本1本の位置が決まらず(特に最初の4本くらい)、結局、夜の8時くらいまでやってやっと毛糸を41本結んだ。赤の見える虹角が約42°で、これはデカルト以前から一部で知られていたことであり、それにちなんだ数字から1を引いている。最後の1本は、見る人がどこに何色を通すかを考えるために残したわけだ(他に、赤が42°でもう片方の端である紫が40°のため、その間をとった41という数字と考えてもよい)。
知り合いの高橋健太郎くんと越後しのさんも出しているのだが、ものすごい力作で、重量といい大きさといい、すごい感じで、会場一番奥にある私の毛糸はまさに吹けば飛ぶような感じだろうか。
今回は大きな屋内展示ということで、虹の地中部分(虹は視点を円錐の頂点として、底面の円周上に見えるが、平地ではその下半分くらいは地中にあたるので見えない。ちなみに高い山や飛行機からだとまんまるの虹が見えることがあるという)をイメージしてみた。発見はライティングで、壁にうつる影のようすがたいへんおもしろい効果をあげていた。高さが4.2mある会場なのだが、もっとあったらもっとおもしろかっただろう(それだけ展示がたいへんではあるが)。
会期は明日から19日(火)まで。明日は審査もあるのでちょっとどきどきである。最近、いろいろあって、賃貸住宅の原状回復にかかるトラブルとガイドラインとかには詳しくなったのだけれど、ほとんどアートやら毛糸やらについて考える時間がなかったので、自分が何のつもりでこの展示をつくろうと思ったのかもあやうい感じである。本当に、これは私にはよくあることなのだが、すこし前、たとえば数ヶ月前に考えていたことがあんまりよく思い出せなかったり、つづけて興味をもって考えていなかったりすると、すっかりそれが何のことやらわからなかったりするのだが、世間ではこういうことはそれほど頻繁には起こらないのだろうか。