上を向く

椅子

上を向いて歩こうとか、仰ぎ見るとか、上を見ることはおそれおおいものや、希望に満ちたものを見るしぐさで、下を向くとか、見下ろす、見下すといったしぐさはその逆、といった意味を与えられているが、これは文化的なものだけではなく、生物学的なものでもあるような気が、今日、ニュー・アート・コンペティション of Miyagiへ出すインスタレーションこれ)の模型をつくっているときにした。
実物の3分の1くらいのものをつくって、実際の展示に備えているのだが、作業と言いながら、実際はあれこれ天井付近の毛糸をながめながら考えている時間が長いわけで、そうして上を向いていると、1時間もしないうちに首ににぶい痛みを感じるようになり、今もどうにもへんな感じである。からだの構造として、上を長時間向いているようにはできていないのではないか。たとえば猫も高いところにのぼって下を見下ろしたがるが、あれもえらぶって上から下を見下ろしているのではなくて、上を向くのがたいへんなのではないだろうか。肩をもんでやるとすごく喜ぶし。