引用といい、モチーフといって、私は何かのつづき、何かの反転図、何かの をつくろうと、しかしそれで終わってしまう。私にはそうして寄りそうもの、支えるもの、寄りかかるものが必要なのだ。もちろん、そうでないものはないのだから、ということもできる。…

「雲を数えなさい…」（オノ・ヨーコ『グレープフルーツ・ジュース』）を読んだときにもつ（あるいはもった）奇妙な感じを、別のしかし同じ構造をした何かとして表現したいと思って、私は「雲」をつくろうと考えている。それはまさに「数えられる雲」なのだ。

拾って来た木や板をもうひとつつくる、というとき、それを押し付けてかたちを成形し、着彩することで、版のようなものをつくる。カーブを描いた丸太の流木は、パネルの上で（あるいは中へ）へこんだそれとして表現される。

宮沢賢治は子どもの頃（オトナになっても）、石に興味があったのでそう呼ばれていたらしい。私もよく石を拾って描いたりしたけれど、そうした石とのかかわり方は、ごく自然なことのように思える（それが「自然」を通りこすこと、とき）このあいだ、戸倉上山…